2024-01-01から1年間の記事一覧

第9回 神戸市外国語大学2022年の現代文入試問題から考える事例。

神戸市外国語大学の2022年の現代文は、隠岐さや香さんの『文系と理系はなぜ分かれたのか』より出題されています。 出題の文章で述べられているのは、やわらかく言うと、「『生まれつきの才能』という考え方、特に、男女の違いだとか、人種、民族の違いだとか…

第10回 『レンガ職人』を『先生』に置き換えるとどうなるのか?

『三人のレンガ職人』という寓話があります。 旅人が、レンガを積んでいる男に、 「あなたは何をしているのですか?」 と尋ねたら、その男は、 「レンガを積んでいるんだ」 と答えました。 次に、同じようにレンガを積んでいる男に出会った旅人が、 「あなた…

第8回 〝なりたい私〟をなぜ強いてはいけないのか?

喫緊の敵は〝なりたい私〟です。 ワタクシが高校三年生だった秋、三人の友人との間で、将来どうするかということが話題になったときに、友人は誰も〝なりたい私〟なんて明確なビジョンを持ってはいませんでした。中の一人は、 「家に帰ったら、温かいご飯と…

第7回 女神の求める条件とは何か?

「キミはボクの女神だ」 「女神? どういう女神なの?」 「美の女神に決まっているだろ」 「そんなの当たり前でしょ。それだけ?」 「幸運の女神だ」 「宝くじみたいに言わないでほしいわ」 「いや、幸福の女神だ」 「そうね、美しい幸福の女神ね」 「だから…

第6回 対話によって字数稼ぎは解明できるのか?

対話は、思考の方法として古今東西、用いられています。 ソクラテスをはじめ哲学は、対話によって展開されています。 論語では、弟子の問いに「子曰く」と答える形でその考えを示しています。 禅宗で交わされる禅問答は、まさに実践的な対話です。 では、弟…

第5回 「ジュースある?」にどう応じるか?

問いや問いの答となる選択肢をいくつひねり出せるか? これが、【思考遊戯】をさらに面白くします。 たとえば、帰宅した子どもに、 「ジュースある?」 と言われたときに、どう応じることができるでしょうか? また、その応じ方は、いくつあるでしょうか? …

第4回 死神に何を問うか?

【思考遊戯】の醍醐味は、自ら問いを立てるところにあります。 [誰に][何を][どう]問いかけるか、独自の問題提起から始めなければ、面白さや楽しさは半減します。 と言って、「存在とは何か?」「幸福とは何か?」、といった、昨今流行りの哲学的手法…

第3回 役に立たない無駄なことだとなぜわかるのか?

「妻とはもう終わっているんだ。近いうちに離婚する。そうなったら、必ず君と一緒になる。だから、別れるなんて言わないでくれ。もう少し、待ってくれ」 と繰り返す男の言葉に業を煮やしながらも別れられない女性がそれでも、 「私、もう待てない。あなたに…

第2回 結婚30年目の[人生相談]にどう回答するか?

[人生相談]ほど、〝思考〟の〝遊具〟に適したものはありません。 迷っている人や困っている人の[人生相談]を遊びに使うとは、何事か! (冒頭から)アチョー! 非難、叱責、炎上を覚悟の上で【思考遊戯】を続けます。 まず、相談者が何を求めているのか…

第1回 [知らない]の裏に何があるのか?

昨今、流行の〝思考〟は、何かの役に立つ、特にビジネス上の問題解決のために必要なテクニックのように扱われているように思います。効率第一主義を旗印にして、無駄を排除する〝思考〟は、なんだか面白くありません。 そこで、これに〝遊戯〟を付けたのです…