「キミはボクの女神だ」
「女神? どういう女神なの?」
「美の女神に決まっているだろ」
「そんなの当たり前でしょ。それだけ?」
「幸運の女神だ」
「宝くじみたいに言わないでほしいわ」
「いや、幸福の女神だ」
「そうね、美しい幸福の女神ね」
「だから、ボクと一緒になってほしい」
「お断りよ」
「どうして?」
「アナタと一緒になったら、貧乏神に憑りつかれた、みすぼらしい女神になってしまうでしょ」
「でも、ボクはキミのために一生懸命に働くし、何より、愛があれば貧乏でも幸福になれるよ」
「アナタはね」
アチョー!
古今東西、人間が最も興味を抱く謎は、人間です。
謎へのアプローチも、またその答も、一つではありません。十人十色、千差万別、多種多様。そこからさまざまな問いかけが新たに生まれます。
かつて、山本リンダさんがお歌いになって大ヒットした『狙いうち』(作詞・阿久悠先生 作曲・戸倉俊一先生)の女性の如き、この幸福の美の女神を自認する女性は、もっと具体的に表現するなら、どのような女性だと言えるのでしょうか?あるいは、ほんとうのところは、どのような女性なのでしょうか?
貧乏神と謗られた男は、どのような男だと考えられるでしょうか?
振られる男が、意中の女性のハートを射抜くためには、どうすればいいのでしょうか?
何より、この男を袖にした女神は、この先、幸福の女神であり続けられるでしょうか?
(何だか前回の続きで、もてない男の嫉妬心を吐露するような内容になってしまいました~)
アチョー!
さて、この女神と貧乏神の会話から、他にどのような謎が考えられるでしょうか?